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更新日:2021年2月10日
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山形ものがたり YAMAGATA'S STORY
いいながめ山形の自然編
Mt.Chokai & Tobishima Island Geopark
自然の不思議、神秘的な美しさ。
日本海と大地にそびえる2つの火山が魅せる果てしない地球の物語。
茜に染まる日本海と鳥海山
山形県日本海側の最北端、遊佐町。国道345号を秋田県境に向かう途中に、こじんまりとした釜磯海水浴場があります。海岸に降りると砂浜のいたる所からボコボコと真水が湧き出し、海に注いでいます。
湧出口に手を入れると、真夏でも痺れるほど冷たく、肩近くまで腕が砂の中に沈み込んでいきます。海の中にもかなりの湧水があり、このような場所での湧水量としては世界でも有数と言われ、昔は海水浴客のための天然プール(水風呂)まであったとか。
この釜磯海岸も、鳥海山・飛島ジオパークを構成するスポットの一つです。ジオパークとは、「ジオ=地球、大地」と「パーク=公園」を組み合わせた言葉で、「大地の公園」の意味。保護・保全、教育、地域づくりを3本柱に、地球を学び、楽しむ場所として世界各地に広がりを見せています。
2020年(令和2年)4月現在、日本ジオパークは43地域あり、そのうち9地域はユネスコ世界ジオパークです。山形県酒田市、遊佐町、秋田県にかほ市、由利本荘市の3市1町をエリアとする鳥海山・飛島ジオパークは、「日本海と大地がつくる水と命の循環」をテーマに、2016年(平成28年)に日本ジオパークネットワークに加盟認定されました。
釜磯海岸の湧水
「Touch! ふれる・楽しむ・好きになる」をキャッチフレーズとした活動の中心を担うのは、ジオツーリズム。2年におよぶ研修を経て認定試験に合格した約70名のジオガイドが、地球が作り出した地形・景観や、これらに由来する暮らし・文化など、エリアの魅力や価値を分かりやすく、楽しく、伝えてくれます。
山形県側の見どころとしては、まず第一に水環境の絶景があげられます。鳥海山は火山活動を繰り返しながら、溶岩のバームクーヘンとも言える地層を作りあげ、その山体に降雨・降雪による大量の水を蓄えています。湧水が見られるのは、溶岩が流れて固まった末端部分で、遊佐町にある湧水100%の牛渡川をはじめ、同町の女鹿集落の共同水場「神泉の水」や岩壁から直接湧き出す「胴腹滝」、そして先に紹介した釜磯海岸も同様です。
これらの豊富な湧水は、直接あるいは滝となり川となってシロザケの孵化事業にいかされ、田畑を潤し、また海に注いで大ぶりの天然岩ガキを育みます。大地の物語が豊かな恵みをもたらし人々の暮らしを育んできたのです。
牛渡川近くにある丸池様
県内一の高さを誇る、酒田市の玉簾の滝。落差63mの名瀑に見られる柱状の岩肌は、海底の地層にマグマが流れ込んでゆっくり固まった証。およそ1,500万年の時を経て、私たちの目の前にその姿をさらしてくれています。
一方、日本海沖に浮かぶ飛島は、海底火山の山頂が海上に現れた姿です。さらに、隆起と海水による侵食を繰り返し、独特の段丘と奇岩、奇景をつくり出しました。周囲10.2km、標高68m。遥かな時を経て、この小さな島に美しい花が咲き、渡り鳥達が羽を休め、移り住んだ人間は漁業を生業として、豊かな自然の恵みのなかで暮らしています。
46億年の営みを続ける地球、1,000万年以上前に生まれた飛島、約60万年前から活動を始めた鳥海山。人間は、その壮大な時間の流れの端っこ、ほんの一瞬を生きているに過ぎず、身近に見る美しい風景は、スケールの違う時間が交差する奇跡、かけがえのない出会いです。
鳥海山・飛島ジオパークが伝えるジオストーリーが、私たちを地球の時間旅行へと誘います。
<取材協力>
鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会
飛島と鳥海山
大ぶりでクリーミー、夏が旬の岩ガキ
庄内の海に湧き出す、鳥海山からの伏流水は、岩ガキをふくよかに育てると言われています。冬が旬の真ガキとは違い、見た目は大きく丸々と肥え、味はクリーミーで濃厚。6月〜8月中旬が一番の食べ頃です。
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