更新日:2022年9月1日
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科学捜査研究所は、法医・化学・工学・文書・心理の5部門に分かれ、科学を応用した鑑定と科学捜査に関する研究を行っています。
DNA型鑑定等、血液、体液等の個人識別鑑定と法医学を応用した研究を行っています。
麻薬、毒物、その他の薬品や繊維、自動車塗膜等の工業製品、土砂、油類等の物質の鑑定と化学を応用した研究を行っています。
火災、爆発、交通事故、機械、銃器類、画像・音声解析等の鑑定と工学を応用した研究を行っています。
筆跡、印影、不明文字等の文書類や偽造通貨等の鑑定と研究を行っています。
ポリグラフを用いた鑑定と心理学を応用した研究を行っています。
DNA(デオキシリボ核酸:DeoxyriboNucleicAcid)は、生物の身体を構成している細胞中の核の部分に存在し、生物の身体を作り上げる情報を含んでいる物質です。
DNAは、細胞の1つ1つに存在しており、それらは基本的に同一です。例えば、1人の人間の血液、皮膚、唾液は同一のDNAが含まれています。
DNA型鑑定とは、1人1人のDNAに異なる部分があることに着目し、DNAから個人差のある部分の情報を抽出し、それを比較することにより、個人識別を行うのに役立てる鑑定法です。犯罪捜査においては、例えば、犯罪現場に残された血痕等のDNA型を比較することによって、その血痕等が被疑者に由来するものであるかどうかを見極めるためなどに使われています。
警察のDNA型鑑定では、DNAのうち身体特徴や病気に関係する情報が含まれていない部分を使っており、その鑑定結果であるDNA型情報から身体特徴や病気が判明することはありません。
現在警察が行っているDNA型鑑定では、日本人に最も多く見られる型の組み合わせで、約565京人に1人という確率で個人識別が可能となっています。
警察が行っているDNA型鑑定の流れについては、おおむね以下のとおりです。
1.試料からDNAを抽出する。
2.DNA型鑑定をする部分のDNAを増幅させる。
3.増幅させたDNAについて、「フラグメントアナライザー」という機械を用いて分析する。
4.分析結果に基づきDNA型の判定を行う。