更新日:2023年10月18日
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不妊に関する用語集:基礎体温 ホルモン検査 子宮卵管造影検査 経腟超音波検査 腹腔鏡検査 腹腔鏡検査
排卵誘発 人工授精 体外受精 顕微授精 胚移植
もっと詳しく知りたい方は、不妊専門相談センターにご相談ください。
以上 山形大学医学部附属病院産科婦人科の先生に執筆いただきました。
A1 「妊娠を希望している夫婦が、通常の性生活を行っているにもかかわらず、ある一定期間(一般的には1年間)妊娠しない場合」を指します。
A2 女性は35歳くらいから妊娠率が低下し、40歳を超えると1周期あたり数%まで低下します。男性も年齢と共に妊娠率が低くなるという報告もあります。
A3 1年間程度妊娠しない場合、婦人科を受診することをおすすめします。35歳以上もしくは、婦人科疾患をお持ちの方は、より早い受診をお勧めします。
A4 一般の産婦人科医院・病院でも不妊症の検査と治療は可能です。また、不妊治療を主に行っている医院・病院もあります。まずはかかりつけの婦人科にご相談ください。
A5 最初に女性が婦人科を受診し、そこで男性の精液検査を行うことが一般的です。男性の精液に問題がある場合、泌尿器科の受診を勧めることがあります。
A6 女性側では、卵管通過障害や排卵障害のほかに、子宮内膜症や子宮筋腫が原因となる場合があります。一方、男性側では性機能障害(勃起障害)や精子異常(精子数や精子運動率の低下、奇形精子など)が考えられます。不妊の原因が不明な場合もあります。
A7 女性側では、ホルモン検査、子宮卵管造影検査、経腟超音波検査などがあります。可能であれば、受診前にあらかじめ1か月ほどの基礎体温記録を持参することをおすすめします。男性側では精液検査が行われます。
A8 それぞれの原因に応じて治療が行われます。一般的な不妊治療としてはタイミング法や人工授精があります。並行して腹腔鏡検査(内視鏡手術)が必要な場合もあります。これらの治療で妊娠しない場合には、体外受精(生殖補助医療)にステップアップを検討します。
A9 一般不妊治療では排卵誘発-人工授精を例にすると、1回の治療で約10%の妊娠率が期待できます。体外受精-胚移植を行った場合、1回の治療につき約30%の妊娠率が期待できます。治療の間隔は排卵誘発法によって異なり、自然周期(排卵誘発なし)や内服薬による排卵誘発を用いた場合は毎月でも試みることができますが、注射薬による排卵誘発を用いた場合は卵巣に負担がかかるため、ある程度の間隔を取ることを勧められる場合もあります。
A10 2022年4月から、不妊治療が保険適用となりました。一般的な検査に関しては、保険適用のものと、保険適用外のものが存在します。治療については、以下の通りです。
●保険適用でのタイミング法の費用の目安は、診察、検査、薬代を含めて1周期あたり約3,000円程度です。
●人工授精の費用の目安は、診察、検査、薬代、処置料を含めて1周期あたり約15,000円程度です。
●体外受精の費用は、排卵誘発法、採卵個数、受精(授精)方法によって異なりますが、平均的な費用の目安は、診察、
検査、薬代、処置料(採卵、胚培養、受精(授精)、胚凍結)を含めて約150,000円程度です。
●胚移植の費用の目安は、診察、検査、薬代、処置料を含めて約60,000円程度です。
年齢や治療回数による制限を超えて治療を継続する場合、自由診療となり、各病院やクリニックが設定した費用が適用されます。
A11 山形県では、令和4年4月1日から特定不妊治療が保険適用されたことに伴い、当該保険適用により生じる自己負担部分に対して助成を行っています(令和5年現在)。また、県内の市町村によっては独自の助成制度を提供しているところもあります。不妊治療が保険適応化されたことで、高額療養費制度も適用されるようになりました。先進医療の治療や検査を受ける方は、医療保険の先進医療特約を利用できる可能性があります。詳細については、県や居住地の市町村、医療保険の保険者、生命保険会社などに相談してください。
最も安静な状態の体温で、朝起床時すぐに舌下で測定します。正常な女性は生理が始まった日から約2週間は体温が低く、その後約2週間は高い日が続き、それから生理が始まります。なお、低温期と高温期の2つの相がある場合、排卵があると考えられ、排卵日はその境界の頃です。
排卵に関連するホルモンの量を血液検査で測定します。通常、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)、男性ホルモン(テストステロン)、下垂体ホルモン(卵胞刺激ホルモン、黄体化ホルモン、プロラクチン)、甲状腺ホルモンなどを測定します。
造影剤(レントゲンで見える液体)を子宮口から注入し、子宮の奇形や卵管の通過性を調べる検査です。また、子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫など子宮内部の異常も検出できます。
腟から子宮や卵巣の形状を観察し、卵胞の確認などに使用される検査方法です。排卵誘発を含む不妊治療に重要です。
腹部に小さな穴を開け、内視鏡や鉗子を挿入して腹腔内を直接観察する検査法です。子宮、卵巣、卵管などを直接検査し、癒着や子宮内膜症などを診断するために重要です。また、腹腔鏡検査後に妊娠しやすくなることから、治療にも使用されます。
排卵障害に対して排卵誘発剤を使用します。排卵誘発剤には、軽度な排卵障害に対するクロミフェンやレトロゾール、重度の場合に使用される注射薬HMG(FSH)などがあります。
精子を人工的に子宮内に注入し、受精を促す手法です。
卵子を採取し、体外で受精させる手順を指します。
精子の数が特に少ない場合や、動きが制限されている場合に、顕微鏡下で卵細胞質内に精子を直接注入する方法です。精子の回収が困難な場合には、精子を睾丸から直接採取し顕微授精を行うこともあります。
カテーテルを用いて受精卵を子宮に戻すことを指します。
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