更新日:2020年10月12日

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4月臨時会(令和2年4月30日)

 県議会臨時会の開会に当たり、提案いたしました議案の説明に先立ち、新型コロナウイルス感染症への対応等につきまして、先週4月22日以降の取組みについて申し上げます。

 はじめに、「東北・新潟緊急共同宣言」について申し上げます。

 医療専門家等の御意見などを受けて、私から隣県知事に提案いたしましたところ、東北・新潟圏域内の知事と政令市長による「東北・新潟緊急共同宣言」としてまとまり、24日、新型コロナウイルスの感染拡大の防止と早期の終息を目指し、不退転の決意で、地域一丸となって取り組んでいくことを宣言いたしました。
 各県では、政府の「緊急事態宣言」を受けて、既に県民の皆様に様々な自粛要請を行っておりますが、ゴールデンウィーク期間を前に、改めて、県境を越えての移動の自粛や事業者における感染防止対策の徹底について、御協力をお願いしたところです。

 次に、県域での啓発活動と任意の検温の取組みについて申し上げます。

 18日からの試行期間で得られた結果などを検証し、25日からの本格実施では、高速道路等の実施箇所を1箇所から3箇所に増やしたほか、鉄道や空港においては、新たにサーモグラフィーによる検温を導入するなど、より効率的な手法を取り入れているところです。また、態勢につきましても、実施箇所の地元の市から御協力をいただき、県と市が一緒になって活動を行っております。今後、5月10日まで実施し、県域を越える往来の自粛と、県内における慎重な行動を呼び掛けてまいります。

 次に、企業等に対する営業自粛等の要請について申し上げます。
 3密(密閉・密集・密接)が起きやすい業態と、県外からの人の移動・県内外の往来に関係する業態の事業所を対象として、感染拡大防止を目的に、ゴールデンウィーク期間中の営業自粛や夜間営業を自粛することについて、4月22日に関係事業者に要請いたしました。対象となる事業者の皆様には、県民の命と健康を守り、従業員の安全を守るという観点も含め、御協力をお願いしております。
 なお、営業自粛等の要請に御協力いただいた事業者に対しましては、緊急経営改善支援金により支援してまいります。

 次に、医療提供体制の確保について申し上げます。
 県内で新型コロナウイルス感染が確認された場合は、現在、感染症指定医療機関等に約150床確保している専用の病床に入院いただいておりますが、今後、感染が長期にわたる場合でありましても、医療崩壊に陥ることは絶対に避けなければなりません。このため、23日に、感染症患者を、その症状の程度に応じて適切な医療機関で受け入れられるよう調整する、「新型コロナウイルス感染症患者受入調整本部」を立ち上げたところです。
 具体的には、この調整本部において、重症や中等症の方を重点的に受け入れる「重点医療機関」として、県立中央病院、公立置賜総合病院、日本海総合病院の3つを定めたところであり、適宜、各病院の病床や人工呼吸器の稼働状況等を把握しながら、高度な医療をしっかりと提供してまいります。
 一方、軽症の方や無症状の方には、感染症指定医療機関等から臨時の医療施設であります宿泊施設に移っていただけるよう、調整本部で調整を行うこととしております。現在、内陸と庄内それぞれにおいて、こうした方々を受け入れていただく宿泊施設を準備しているところであり、補正予算を御可決いただいた後、速やかに受入れを開始してまいります。

 次に、「新型コロナからみんなを守る県民リレー」の展開について申し上げます。
 若い世代の行動などにより、感染が拡大している事例が、県内外で確認されていることから、若者の若者による感染拡大防止に向けた意識の醸成を図るため、SNS等を活用した情報発信や、高校生による感染防止のためのメッセージカードの作成・発信等の取組みを展開しているところです。今後、更に様々な手法や機会を通して、県民一人ひとりが主体的にメッセージを発信し、感染拡大防止の行動の輪が広がるよう取り組んでまいります。

 次に、農林水産分野における対応等について申し上げます。
 農林水産分野におきましても、牛肉や花きなどの価格が大幅に下落するなどの影響が出ており、17日、県庁及び4総合支庁に「新型コロナウイルス農林水産業相談窓口」を設置しましたところ、制度資金など県の支援策に関する問い合わせや、事態の長期化を見越した品目転換などの相談が寄せられております。
 また、24日、新型コロナウイルス農林水産業対策会議を立ち上げ、関係機関・団体等からの情報収集や意見交換を行う体制を構築したところです。今後、こうした御意見などを踏まえ、適時適切に対応してまいります。

 県としましては、今後とも、県内各市町村はもとより、政府や関係機関・団体との連携を密にしながら、この未曾有の難局に立ち向かい、一日も早く終息するよう、全庁を挙げて全力で取り組んでまいりますので、引き続きの御理解と御協力をよろしくお願いいたします。

【議案の概要】


 次に、このたび御審議いただきます議案の概要について御説明申し上げます。
 提案いたしました議案は、令和2年度山形県一般会計補正予算(第1号)など、6件であります。

 まず、一般会計補正予算について申し上げます。
 今回の補正予算は、新型コロナウイルス感染症への対応のため、政府の緊急経済対策等に対応するとともに、県単独事業等を追加するために補正を行うものであります。

 政府の緊急経済対策等への対応につきましては、第1に「感染拡大防止策と医療提供体制の整備」としまして、県立病院等に人工呼吸器やECMO(体外式膜型人工肺)など必要な資機材等を整備するとともに、医療機関や高齢者施設等に対して手指消毒用エタノールを供給し、医療体制の強化を図ります。また、PCR検査体制について、保健所3か所及び感染症指定医療機関等3か所に検査機器を新たに設置し、検査体制の強化を図ります。さらに、医療崩壊を起こさないよう、軽症者等受入れ施設を確保するなど、万全の体制を整えてまいります。
 第2に「雇用の維持と事業の継続」としまして、政府の緊急経済対策において、全国一律の無利子融資制度が創設されたことを受け、中小企業等の資金繰りを支援するため、商工業振興資金に新たなメニューを追加いたします。
 第3に「次の段階としての官民を挙げた経済活動の回復」としまして、売上の減少等が生じている総称山形牛等の消費拡大を図るため、学校給食への無償提供を実施いたします。
 第4に「GIGAスクール構想の加速」としまして、全ての県立学校の普通教室への無線LAN整備、県立中学校及び特別支援学校への1人1台情報端末の整備等を実施いたします。
 第5に「低所得世帯への対応」としまして、生活福祉資金の特例貸付や、学習用品など教育費負担の軽減、住居を失うおそれのある生活困窮者等への家賃支援を実施いたします。

 県単独事業等の追加につきましては、第1に「感染拡大防止対応分」としまして、県設置施設に体表面温度測定器を設置するほか、県民の利便性を向上するため、「一般相談用コールセンター」を新設するとともに、「新型コロナ受診相談センター」の既存回線を増設いたします。また、県民ボランティアや服飾関係学科の生徒の布マスク製作について「県民総活躍で愛のマスク運動」としまして、その材料費を支援いたします。
 第2に「経済活動回復対応分」としまして、商工業振興資金では、市町村や金融機関と連携しながら3月16日から実施している無利子融資制度に係る資金需要の増加に対応し、融資枠を大幅に増額するとともに、これに伴う利子補給額を追加いたします。さらに、最近1か月の売上が50%以上減少した事業者の融資限度額について、1億円から2億円に引き上げます。
 また、感染拡大を防止するため、事業活動の自粛要請に御協力いただいた県内事業者に対し、緊急経営改善支援金として、法人には20万円、個人事業主には10万円、うち事業所を賃借している個人事業主には10万円を加算して20万円を支援してまいります。加えまして、従業員の解雇等を行わない企業に対し、政府の雇用調整助成金へ県単独で上乗せし企業の負担を実質ゼロとすることで、県内企業の雇用を守り抜きたいと考えております。
 そして、危機的状況にある観光産業の現状に鑑み、県民による県内の観光消費の拡大を図るべく、県内の観光立寄施設で使えるクーポン5万枚を発行する「県民県内お出かけキャンペーン」を実施するとともに、県民が県内宿泊施設に泊まる際に使える5千円分の前売宿泊クーポン5万枚を発行する「県民泊まって応援キャンペーン」を展開するなど、戦略的に観光産業を支援してまいります。

 そのほか、今後への備えとしまして、経済動向等を踏まえ、必要な対策を講じていくため、予備費を追加いたします。

 この結果、今回の一般会計補正予算総額は、313億7,700万円となり、今年度の累計予算額は、6,447億4,100万円となります。

 また、令和2年度山形県病院事業会計補正予算(第1号)につきましては、新型コロナウイルス感染症への対応として、3億3,063万円を追加するものであります。

 次に、予算以外の議案について申し上げます。
 知事等の給与の特例に関する条例の設定につきましては、連日、各界の方々から要望をお聞きして県内経済が急速に悪化している状況を肌で感じ、また、県民の皆様の窮状をお聞きする中で、私として、こういう時だからこそ、県民の皆様と共に歩み、少しでも県民の皆様のために使っていただきたいという想いが強まり、同調いただいた特別職とともに、令和2年6月1日の基準日に係る期末手当を受け取らないこととするためのものであります。山形県職員等の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例の制定につきましては、防疫作業に従事する職員の特殊勤務手当の支給の対象とする職員を追加する等のためのものであります。
 令和元年度山形県一般会計補正予算(第7号)、山形県県税条例の一部を改正する条例の制定についての専決処分の承認につきましては、いずれも急施を要したために専決処分いたしましたので、御承認をお願いするものであります。

 以上が、今回提案いたしました議案の概要でありますが、内容の詳細につきましては、議事の進行に従いまして、関係部課長より御説明申し上げますので、よろしく御審議のうえ、御可決くださいますようお願いいたします。

 

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