更新日:2024年8月16日

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さくらんぼの話のタネ

Q さくらんぼの生産量はどれくらいありますか?

日本国内のさくらんぼの生産量は、ここ10年間平均で、17,600t程度です。山形県では、日本全体の約4分の3にあたる13,300t程度のさくらんぼの生産をしており、日本一のさくらんぼ産地となっています。

Q さくらんぼの品種は、何種類ぐらいありますか?

世界全体では1,300品種以上のさくらんぼが栽培されていると言われています。日本ではそのうちの25品種ほどが栽培されており、そのほとんどが山形県でも栽培されています。

日本で栽培されている生食用のさくらんぼのほとんどは、甘果おうとう(セイヨウミザクラ Prunus avium)に分類され、他に酸味の強い加工用の酸果おうとう(スミミザクラPrunus cerasus)などがあります。

Q さくらんぼはいつ頃食べられますか?

一般的には、加温ハウスでの栽培は5月頃から出荷が始まり、メインである露地栽培(雨よけテント含む)の出荷は6月中下旬にピークを迎えます。品種やハウス栽培の組合せにより山形県内では5月から7月中旬ごろまでさくらんぼを楽しむことができます。

特別なものとしては、加温ハウスで栽培され1月の初市に出荷されるものや、さくらんぼを長期貯蔵し8月に出荷する取り組みも一部で行われています。

その年の気象条件により収穫期間は前後することがあるので最新の情報を入手しましょう。

Q さくらんぼの樹にビニールを張っているのはなぜですか?

収穫が近づくとさくらんぼの実は水にとても弱く、雨に当たると果皮に亀裂が生じ割れてしまいます。これを「裂果」と言いますが、実割れを防止するために昭和46年頃に雨よけテントが開発され、昭和の後半から広く普及し始めました。また、土壌中の水分や空気中の湿気の影響により実が割れてしまうことがあり、生産者は水分の管理に非常に気を使います。例年、色付きの始まる5月下旬から6月上旬に、雨よけテントのビニールかけを行っています。

Q 一本のさくらんぼの樹から何個のさくらんぼが収穫できますか?

樹の大きさによっても違いますが、成木1本からは5千から1万個のさくらんぼが収穫できます。生産者の方は、脚立などを使い、ひとつひとつ丁寧に、手で収穫していきます。

Q さくらんぼの大きさの目安は?

3L(28mm以上)、2L(25mm以上)、L(22mm以上)、M(19mm以上)のサイズが主に流通しています。目安としては、2Lが500円玉大、Lが100円玉大、Mが1円玉大と覚えておくとよいでしょう。数量は少ないですが4L(31mm以上)が収穫されることもあります。

令和5年に本格デビューした新品種「やまがた紅王」は、3Lサイズを超える大玉の品種で、4Lサイズの生産も可能です。

Q おいしいさくらんぼの見分け方は?

  • つやがあり、色が均一で濃い赤色である
  • 軸が太く、鮮やかな緑色をしている
  • 軸の付け根のくぼみが深く、軸が抜けていない

Q さくらんぼの花はどのような特徴がありますか?

さくらんぼの花は、ソメイヨシノの満開から約1週間後に咲き始め、開花後4~5日で満開を迎えます。山形ではゴールデンウイーク期間頃にさくらんぼの花が開花します。つぼみの入った花芽の塊を「花束状短果枝」といいますが、この塊から20輪前後の白い花が咲くと同時に数枚の葉っぱが出てきます。白い可憐な花と鮮やかな緑の葉を同時に楽しむことができます。

Q さくらんぼの木は一本だけ植えても実がならないというのは本当ですか?

さくらんぼは他の品種の花粉が付かないと実がならない特性があります。そのため、さくらんぼ園では複数の品種が栽培されています。ミツバチなどの昆虫が花粉を運ぶことによりさくらんぼは結実します。例外として、山形県が育成した「紅きらり」という品種は自分の花粉だけでも実を結ぶ特別な性質を持っています。

Q さくらんぼの栽培はいつから始まりましたか?

日本では1868年(明治1)にプロシア(ドイツ)人のR・ガルトネルが元北海道七飯町を開拓し、他の果樹と共に6本のさくらんぼを試植したのが始まりとされています。山形県には、1875年(明治8)に内務省勧業寮により3本の苗木が山形県庁に配布されて構内に試植されました。さらに1876年(明治9)に初代県令三島通庸が北海道開拓長官黒田清隆の手を通じて、さくらんぼ、りんご、ぶどうの苗木300本を取り寄せ山形市香澄町の試験地に植え付けたのが始まりです。

2025年(令和7年)は、山形県でさくらんぼの栽培が始まって150年となる記念の年です。さくらんぼ栽培150周年に向けて、様々なイベントを企画していますので、楽しみにしていてください。

Q なぜ、山形県ではさくらんぼの生産が盛んなのですか?

1875年に内務省勧業寮からは全国各県にもさくらんぼは配布されましたが、山形県以外の地域ではうまく育たず定着しませんでした。山形県の気象条件や土壌条件等が非常に適していたとも言われています。この他にも「佐藤錦」に代表される品種開発や雨よけ栽培などの技術開発など、先人達のたゆまぬ努力により日本一のさくらんぼ産地を築いてきました。

Q 「おうとう」と「さくらんぼ」の違いはなんですか?

一般的に「おうとう」は果実を含めた樹全体を表し、「さくらんぼ」は果実を表します。諸説ありますが、「さくらんぼ」は、赤ん坊と同じように可愛らしい様子を表現したとも言われています。

Q 山形県の木は「さくらんぼ」というのは本当ですか?

昭和45年に大阪で開催された万国博覧会を記念して県の木を定めることになり、昭和41年に山形県になじみの深い木の中から3種類の木を選び、その中から県民のみなさんに募集し、その結果さくらんぼが県の木になりました。(昭和57年3月31日制定)

現在は東京の国会議事堂の前庭にも植え付けられ、季節になると赤い実をつけて、視察者をよろこばせているようです。

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