ノロウイルス食中毒について
ノロウイルスの特徴
- 大きさは非常に小さく直径35から40nm(1nmは1mmの100万分の1)です。
- 宿主であるヒトの小腸上皮細胞のみで増殖します。
- 自然界での抵抗力が強く、長期間感染性を保持します。
- ヒト(宿主)の要因により、感染や発症に差があり、感染しても症状が出ない不顕性感染を起こすことがあります。
- 症状が回復した後でも2週間から1か月程度ウイルスが排出されます。
- 冬期を中心に、年間を通して胃腸炎を起こします。
ノロウイルスの感染経路
- ノロウイルスの感染経路は大きく3つに区分されます。
- 調理中にノロウイルスに汚染された調理従事者の手指等を介して食品などが汚染され、それを食べた場合。
- ノロウイルスに汚染された食品(貝類等)を十分加熱調理せずに食べた場合。
- ノロウイルスに感染したヒトの嘔吐物等を介しての感染。または、嘔吐物の処理が不十分で、それらが乾燥しての飛沫感染など。
ノロウイルス感染における症状
- ノロウイルス感染における潜伏期間(感染から発症までの時間)は24から48時間です。
- 主な症状は、下痢、発熱、嘔吐、吐き気、腹痛で、発熱は一般的に軽度(37度から38度)です。
- 感染しても症状が出ない(不顕性感染)ヒトもいます。
- 一方、高齢者や乳幼児が感染すると、嘔吐物が気管に入り誤嚥性肺炎を引き起こすこともあるので注意が必要です。
ノロウイルス食中毒の予防方法
1 十分な手洗いを徹底すること
- ノロウイルス食中毒の予防方法として、手洗いは非常に効果的です。
- 食品衛生は手洗いに始まり、手洗いに終わると言われます。
- 調理をする前、トイレの後、食事の前には十分に手を洗いましょう。
- 2回洗いが効果的です。
- 手洗いの後、衛生的なタオルを使用しましょう。
※(手洗いマニュアル:日本食品衛生協会)(外部サイトへリンク)
2 加熱調理を十分に行うこと
- ノロウイルスは85度から90度90秒間の加熱で失活化します。
- ノロウイルスが付着している可能性のある食品(貝類等)の加熱調理は中心部まで十分に加熱しましょう。
- 湯通し程度の不十分な加熱ではノロウイルスは失活化しません。
※(ノロウイルスに関するQ&A:厚生労働省)(外部サイトへリンク)
3 嘔吐物等は正しく処理を行うこと
- 嘔吐物処理はノロウイルスによる食中毒や集団感染を防ぐためにきわめて重要です。
- 正しく処理を行い、感染リスクを軽減しましょう。
- おう吐物などで汚れた床は、塩素系漂白剤を含ませた布などで覆い、消毒しましょう。
※(ノロウイルスの消毒方法:食品安全委員会)(外部サイトへリンク)