更新日:2017年9月7日
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【とき】平成27年8月4日(火曜日)11時00分~11時30分
【ところ】川西町吉島地区交流センター
【団体名】きらりよしじまネットワーク(川西町)
【出席者】きらりよしじまネットワーク理事長、副理事長、事務局長、川西町長、知事、置賜総合支庁長ほか
「きらりよしじまネットワーク」では、地域に根差した団体として、生涯学習から環境保全・産業創造事業など、地域住民のためのあらゆる場面での地域活動を支援し、社会参画の環境づくりを行っています。活動拠点となっている「吉島地区交流センター」で、理事長や事務局長からこれまでの取組みや活動状況、課題やこれからの展望などについてお話を伺いました。
吉島地区は、昭和の大合併の時の旧村地域にあたり、現在人口が2,600人ほどで、世帯数718世帯の、いわゆる人口減少、人口流出というのが確実に進んでいる地域といえると思います。高齢化率は、31%です。将来、子どもたちにはこの地域に残ってもらえるような活動として世代間の活動を中心的に進めています。
2004年に、それぞれの団体の会計を一元化し、既存の団体をひとつにまとめて、地区全体の合意形成をひとつにまとめていこう、そしてもっとスピード感のある課題解決ができるコミュニティにしていこうと、併せて、社会的に認められた組織としてNPO法人化を考えました。なぜNPO法人としたかですが、地域を永続的に続けていくためには、「経営」の視点とその知識が必要であり、明確なビジョンと住民の参加、それから多様な財源の確保というものを、社会的に認められた団体として確保し、体力、それから質というものを地域の中にも育んでいこうと考えました。
それぞれの事業の計画・運営については、現在、常勤の従業員は5人ですが、非常勤の事務局として平均年齢が35歳の24名がおり、彼らを各部会の中に割り振りをして、その中に1名マネージャーを配置してあります。このマネージャーが各部会のコーディネーターができるように組織としても大きく見直しを掛けてきました。
地域づくりに必要なしくみとして、私たちは、合意形成、人づくり、資金作り、つながるネットワーク、この4つを掲げています。住民ワークショップを年に4~5回開催をしてアイデアを企画に移しながら、事業展開ができるように進めています。
力を入れているのが、人づくりのシステムです。人材の発掘は難しいのですが、自治公民館単位で、“きらりよしじま”の教育部会の専門部に18歳から35歳の若者を推薦する制度を別に作っております。推薦された若者が、事務局と一緒に地域活動を展開し、もっとやりたいことがあるときは、事務局見習いというかたちで、2年間事務局と一緒に学びを共有してもらっています。
資金作りのシステムとして、事務局の雇用や事業規模を拡大していくために、ほとんどの財源が委託金、補助金、交付金ですが、多彩な財源を獲得してきています。また、事業会費という形で、自分たちで事業を起こし、住民から会費を頂戴して運営していく形です。
住民の皆さんの所得を向上していくため、産直運営、朝市、夕がた市などがあります。住民の皆さんがこの拠点を活用しながら自分たちの所得を向上していこうと、おばあさんでも月8万円ぐらいの稼ぎを得る方もいらっしゃいます。
きらり産直市場
インターネットでの販売もしており、特に、お惣菜とか加工品の方に力を入れております。吉島には食品加工所が2つあり、女性の起業を支援しています。また、彼女たちには、一人暮らしの高齢者、介護世帯への配食のサービスの手伝いや地域食堂のお手伝いなどもしてもらいます。
今年度、特に力を入れてやっている事業で、ジュニアリーダーを育てて定着させていこうということで、自然体験をメインにしながら、大人たちとのコミュニケーションを育み、地域に残ってもらえるように活動をしています。
高齢者の出番づくりという形では、児童クラブの経営で、現在60名の児童、1年生から6年生までお預かりをしており、給食、お弁当については、すべて手作りで提供させていただいています。これらの担い手として、地域の高齢者が、手仕事を教えてくれたり、夏休みの工作の宿題を手伝ってくれたり、読み聞かせのチームができて、子どもたちに読み聞かせを教えてくれています。これから高齢化がどんどん進みますが、担い手としての高齢者の役割というのは、どんどん地域の中に広がるであろうと思います。
また、国の補助金をいただいて、ITCの活用として、現在、高齢者はタブレットを持って、買い物や、地域情報を得たり、友達同士で通話ができたりしています。見守りにも活用し、特に、高齢者に人気なのが、友達や家族とのコミュニケーションとしてテレビ電話でお話ができるというところです。また、うちのスタッフは同じ端末を持っていますから、「元気がない」と発信があれば、民生委員さんにすぐ行っていただくか、あるいは直接電話をして確認をします。リアルなサポートとバーチャルなサポートと合わせています。
子ども達も地域の支え合いに参加をしております。「よしじまっ子おはよう隊」ですが、登下校の班長さんたちが、学校の行き帰りに道筋の高齢者のお宅に寄って、おばあちゃん元気?、おはよう!、ただいま!と朝夕に声を掛けて、安否を確認するシステムであります。これについても、小さいうちから地域活動に関わることによって将来のリーダー育成につながるということで、学校との連携を進めています。
6次産業の取組みとしては、国の補助事業で加工研究所を作ることができましたので、そこを活用しながら、住民の皆さんと、グリーンツーリズム、農家レストラン、加工班の中でそれぞれ進めています。
昨年度、8月に結成した「農道百笑一揆」ですが、これは次代を担う農業青年チームです。現在、銀座のレストラン5店舗と提携しており、健康野菜の契約栽培をしております。それから、農業体験、就農の指導も将来的には進めて、また、田んぼの貸出なども考えております。商品開発については、レストラン、健康食品業者等々と連携しながら進めていきます。
置賜には「置賜ネットワークサポートセンター」という中間支援の団体があります。これは、“きらりよしじま”が、平成21年度の年に県の委託をいただいて、置賜管内のNPO、行政、様々な市民活動団体、現在45団体に加入登録をいただいておりますが、総合支庁とも連携を取りながら、置賜管内のコミュニティの課題解決を支援していこうと立ち上げたネットワーク型の中間支援です。
これまでは、経営セミナー、NPOと行政、地域とNPOとのサポート、人材育成と、各市町村とも連携を取りながら進めてきております。また、川西町からは、将来の町づくりの人材育成を進めていこうと、今年で5年目になりますが、「町づくりマイスター養成事業」を受託しています。
これらの活動、行政支援の課題としては、住民の地域づくり活動に柔軟に対応できる職員の育成が必要であると考えております。川西町においては、地域担当職員が、それぞれ各コミュニティで常に情報交換をしていますが、よそのコミュニティを見るとなかなかそうはなっていません。今後求められるのは、地域の中のソーシャルコーディネーター、つなぎ役の育成があると思います。
行政が理想とする地域づくりのビジョンは、行政が主導的によく作りこみをする必要があるのでないかと考えています。地域力としては、交付金や助成金という手当てがきちんとなされて、行政と連携をして、コミュニティの体力をつけていく必要があると考えているところです。
きらりよしじまネットワークの皆さんと
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