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更新日:2021年1月29日
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『旧米沢高等工業学校本館』は、染織産業の長い歴史を持つ町・米沢市が「染織学科を主科目」とする官立の高等工業高校の創設を誘致したもので、設立当初の学科は、「染織科」「応用化学科」の2科が置かれた。
明治後半、全国各地で高等工業高校の誘致運動が盛り上る中、米沢市の熱心な誘致活動と関係者の並々ならぬ努力により設立が決定されたものである。
米沢高等工業学校は、1910年(明治43)3月に開設された全国7番目の高等工業学校である。
本館の建設は1908年(明治41)7月、文部省建築課米沢出張所によって進められ、翌年に起工、翌々年の1910年7月に竣工した。
1944年(昭和19)4月に米沢工業専門学校と改称され、さらに1949年(昭和24)5月の学制改革によって山形大学工学部に改組された。
翼屋
階段の手すりの細工
旧米沢高等工業学校本館は、1973年(昭和48)6月、国の重要文化財に指定され、資料館として公開されている。
展示室は、高等工業学校、工業専門学校時代の学科構成に合わせて、「紡織科」「色染科」「応用化学科」「機械科」「電気・通信科」「秦逸三教授記念展示室」など、各学科ごとの展示室が設けられている。
旧米沢高等工業学校本館の建物は、ルネッサンス様式を基調とする木造2階建で、北面の正面玄関から両翼94メートルに及ぶ大規模なものである。中央部分1階に、事務室と応接室が配され、同2階は校長室、応接室、会議室などになっており、胴屋部分は主として教室となっている。
屋根は寄棟造りで、中央正面の両翼に小塔形の角屋(階段室)が突き出し、中央玄関に車寄せのある、華麗な建物である。
建築面積は1305.8平方メートルで、外壁は下見板張り、屋根の中央部分はスレート葺き、胴屋と翼屋は桟瓦葺きである。 内装は漆喰塗りが主で、特に内部の階段廻りや会議室の天井などの飾りに特色がある。
この建物は、明治後半に建設された一連の高等工業高校の遺構として、学校建築史上でも貴重なものである。
992-8510 山形県米沢市城南4丁目3-16
(山形大学 工学部)
問合せ先:0238-26-3005
※写真提供 山形大学工学部
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