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更新日:2021年1月29日
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『旧西村山郡役所及び郡会議事堂』は、同じ敷地内に並んで作られた明治初期の洋風建築であったが、世の中の流れと人々の求めに応じて別の場所に移築されるなどの変遷があり、学校校舎や行政庁舎などとして使用されてきた。
大正7年以来、長い間離れ離れになっていた二つの建物であったが、再び一ヶ所に復元され、郷土資料館として人々に当時の文化を語り継ぐ新たな役割を担っている。
1878年(明治11)、太政官布告による郡区町村編制法の公布に伴い、幕末の代官所があった寒河江村南町に西村山郡役所が建てられた。
同年8月10日には建築棟梁を任命し、12月4日に落成、12月7日に開庁するという、驚くべき速さで工事が進められた。この建築は、地元寒河江の棟梁富樫伊久助が中心になって実施された。
また、郡会議事堂が1886年(明治19)、郡役所敷地内に建てられた。郡会議事堂も、6月着工、8月末完成と、工事は短期間で行われた。その後幾つかの変遷があり、二つの建物は山形県有形文化財建造物として指定された。
旧西村山郡会議事堂
旧西村山郡役所
1981年(昭和56)には旧西村山郡役所が、1983年(昭和58)には郡会議事堂が現在の長岡山公園に移設復元され、地域の歴史や文化を伝える「寒河江市郷土館」として使用されている。
旧西村山郡役所は、郡制時代における西村山郡の政治や経済、文化をテーマとした展示が、また郡会議事堂は西村山郡内で出土した縄文土器や石器などの考古資料の展示が行われている。
旧西村山郡役所は、木造2階建、両翼1階建で、面積は319.7平方メートルの建物である。玄関には洋風の建築柱やバルコニーを施し、窓はバロック風ガラス窓(ファンライト)で、屋根は銅板葺きになっている。玄関ポーチ付近の細部装飾や、軒蛇腹などの細部装飾は意匠的価値がある。内壁は和紙貼りで、寄棟造りの和洋折衷様式である。
竣工当時は、西村山の郡役所として、その後寒河江町役場や西村山地方事務所として利用された。
旧西村山郡会議事堂は、木造2階建で正面に玄関及び脇玄関ポーチを取り付けた、面積147.8平方メートルの洋風建築である。竣工当時は西村山郡の議事堂として、次に郡立実業学校の校舎となり、その後は本郷村や大江町などの行政庁舎として役目を果たしてきた。
この建物は、現存する郡会議事堂では最古のもので、同郡役所と一組で存在している点でも、たいへん意義のある遺構である。
991-0041 山形県寒河江市大字寒河江字長岡丙2707 寒河江公園内
問合せ先:0237-86-5111
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